額縁選びのコツ

絵と額縁の関係は夫婦のようなものです。

あ、変な始め方をしてしまいましたね。
今日はアートプリントの額の入れ方や、絵に合った額縁の選び方のポイントなどについて話してみたいと思います。
画像の絵は本物の額縁に入れているわけではないので、*マットや額縁を選ぶ時の色の組み合わせの参考にでもしてください。


*マットとは絵の縁を囲む厚紙のことです。装飾としても有効ですが、もとは絵がガラスに直接触れないようにするために入れるものです。ガラスなどの板に直接絵画が触れますと長い年月の間で絵が劣化することがあり、特に高価な本物水彩画の場合、お店ではマットを入れる事を必ず勧められます。アートプリントの場合は特に定まった額入れの方法はありませんが、もし迷われたら入れる事をお勧めします。


絵のテーマに沿った、アンティークな色合いのマットと額縁の組合わせ


前にニュージーランドに住む友人から、アートプリントはどうやって額に入れたらいい?と質問されました。つまり、アートプリントをどうして飾ったらいいのか分からないとのことでした。


私はアートプリントを額屋さんに持って行くことを勧めました。買おうと思っているのが既製の額であれオーダーメイドの額であれ、必ず実物を持って行く事が大事です。

*理由その1 

絵は自分ではきれいに額に入れにくいから(入れる際にガラスやアクリル板に指紋が付いたり、埃が入ったり、またはプリントを傷付けたりすることがある)。特に、絵の周りにマットを入れる場合は額屋さんに頼んでください。

*理由その2

絵と額縁を実際に合わせてみないと、合うかどうか分からないから。(例えば、茶色でも赤みがかったものから黄みがかったものまであり、濃淡によっても全く絵と合わない場合がある)またマットを入れる場合は、絵とマットと額縁の三点が調和するように選びます。


落ち着いたクラシックな色使い

既製の額とオーダーメイドの額


既製の額とは、すでに出来上がった額縁とガラスが組み合わせてあるものです。サイズやデザイン、色に限りがあります。

オーダーメイドの額とは、店で額縁の角の一片のサンプルが多数ディスプレイされてあるので、好みのものを自分で選んで一から作ってもらう額の事です。どのようなサイズにも対応できます。

それぞれの特徴としては、既製の額縁は価格が手頃ですが、絵に合わせて作られた物ではないので、出来上がりにオーダーメイドの額ほどの見栄えは期待できないかもしれません。けれど、偶然に絵の色調やデザインにぴったりと合う額縁と出会える場合もあります。

オーダーメイドの場合では、価格がより高くなりがちです。ただし、様々な色やデザインの額縁の中から選ぶことができるので、100%自分の好みのものが仕上がり、絵と調和のとれた一点になります。


ちなみに、私が最初に言った”絵と額縁の関係は夫婦のようなもの”というのは、額縁は絵を引き立てるものでなければいけない。決して絵を勝ってしまってはいけない。という意味からです。そうして選んだ額縁は絵を引き立てながらも、不思議と存在感があるものです。

マット選びも同じで、マットを絵に合わせた瞬間、絵が際立つような色を選ぶようにしてください。勝ってはいけません。合わせた瞬間に絵が明るく見えて、瞬時に絵の方に目がいくものであれば合っている証拠です。難しく考えないで、目を頼りに直感的に選んだ方がいいです。
芸術は頭で考えるものではありませんから、ただ好きか嫌いかというような感情をもとに選ぶのがポイントです。


パープル使いでインパクトを与える。太めに見せたマットの層で、ツイッギーの時代の60年代を意識。


額縁とマットの色選びのヒント

最も無難な方法として、絵の中の一部の色と同じ色を使う。

額縁のデザイン選びのヒント

絵の中のデザインや絵のテーマに似たものを使う。
ただし、デザイン選びは少し慎重にしてください。デザイン縁はチョイスに成功すれば無地以上にゴージャスで美しい仕上がりになりますが、シンプルな絵にあまりに主張の強いデザインを選んで、結果的に絵の良さを損なうという場合もあります。





私のおすすめの額の入れ方

予算に余裕があって、額屋さんに聞いて出来るのであれば、ダブルマットやトリプルマット使いが面白いですよ(通常はシングルマットといって、マットを一枚だけ絵の周りに入れます)。マットに効かせ色を使って(時に意外な色を合わせても◎)、世界にひとつの個性的な額を作ってみましょう。マットの層の見せ具合はお店で相談してください。

額縁はほとんどが木製がですが、(オーストラリアでは)メタルの額縁があり、艶があって色がビビッドなため、それだけで絵にインパクトを与えます。価格も通常は木製より安いです。マットをシンプルに抑えて額縁の色や素材で遊んでみるのも面白い方法です。
  

内側の白黒のマットを効かせ色にし、全体をダークブルーで締める。明るい色の額縁で遊びを加えた例。

最初のツイッギー額と似ているが、マットにパープルを使わない例。使用した茶色も全て異なる。


額にはめるガラス板とアクリル板

理由はよくわかりませんが、オーストラリアではアクリル板の方が高値です。アクリル板だと額の重量が軽く、割れないのが特徴。ガラス、アクリルともUV防止加工されているものを選ぶのがベストですが、値段は高くなります。とはいえ、そもそも額は直射日光の当たる場所に飾るのは適していないという事をまず覚えておいてください。
ちなみに、私は額にガラス板(UV防止加工なし)を使っています。


以上が私が知っている額縁選びのコツです。

ところで、絵を額に入れたくない方や家のインテリアがミニマル&モダンがテーマの方であれば、額に入れないキャンバスプリントをおすすめします。キャンバスプリントは壁掛けにも優しい軽量です。こちらのご注文もCelebrity Art Printsにて賜ります。お見積もりはcontact@celebrityartprints.comまで。



下は私がふだん使っているオズボーン パーク(西オーストラリアのパース)にある額屋さんです。予算枠があればその範囲で額縁を見せてくれるし、日にちも早く仕上げてくれるので融通が利きます。早くしてもらいたい時はAs soon as possibleと言ってください。
技術/品質とも間違いありません。応対も親切で気持ちが良いです。

http://www.demmergalleries.com.au/ 


絵の中に人物が多い場合、シンプルに2層までのマットで締めると引き立つ


そのほかに何か質問がありましたら、こちらのブログのコメント欄でも伺います。
メールの場合はcontact@celebrityartprints.comまでお願いします。

商品を買ってくださった方の中で、ご希望の方には4月まで無料でマットと額縁のコーディネートをさせていただきます。

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