2010年9月11日土曜日

Operation Valkyrieー ワルキューレ作戦

映画『ヴァルキューレ』を題材にした作品。もともと英語のヴァルキリーとは北欧神話に登場する女神のこと。戦場において死を定め、勝敗を決定する半神のことである(片親が神で、もう片親が人間)。ヴァルキューレ作戦は、第二次世界大戦中のナチスドイツにおいて反ヒトラー派によって利用された作戦で、これは総統ヒトラーを暗殺し、その後に予想される内乱鎮圧用に立案された国内予備軍の結集と動員に関する命令をさす。
俳優トムクルーズ演じる主人公のモデルは、貴族出身の軍人で、現在においてもドイツの英雄とされているシュタウフェンベルク伯爵。ヒトラー暗殺計画は過去に少なくとも40数回企てられ、シュタウフェンベルク大佐の暗殺計画は最後で最も大規模なものとなった。


Tom Cruise
Claus Graf von Stauffenberg and his children
and Adolf Hitler

トムクルーズとシュタウフェンベルク伯爵のプロフィールは、The Beauty Of Artを御覧下さい。

“We took this challenge before our Lord and our conscience, and it must be done, because this man, Hitler, he is the ultimate evil.” - Claus Graf von Stauffenberg

”我々は神と良心に誓ってこれを為さねばならぬ。必ずだ。なぜならヒトラーという男は、この上ない極悪人だからである。” - クラウス フォン シュタウフェンベルク

良心に従い自らの命を懸け、暗闇に陥った愛国とその人々を救おうとした男。36才という若さで、その高い地位を利用してこのような重大な決断に踏み切りました。

この作品ですが、クロス(X)模様に人間の対照的な生き様、表情の明暗を表しています。まず絵の右下、シュタウフェンベルク大佐の表情ですが、責任感、勇敢さ、正義感の強さ、冷静さ、穏やかさ、誇り高い貴族の威厳、憂い、そして優しさが表れています。左上はトムクルーズが演じたシュタウフェンベルクの表情ですが、これは対照的にヒトラーの命を狙う鷹のような鋭い目を持つ険しい表情です。このときの伯爵ですが、左目と右腕、そして左手の薬指と小指を戦争の負傷で失っていました。

シュタウフェンベルク伯爵の左横では、伯爵の実子の無邪気で愛くるしい様子、その背景にはドイツの村の上空を戦闘機が飛び立つ様子と、村人が戦闘機を見上げて敬礼を送る様子を描いています。右上には対照的に、独裁者ヒトラーの冷血さを表現しています。


ヒトラーが会議で初めてシュタウフェンベルクを紹介された時、大佐の3本しかない指に両手を添え握手をしたといわれています。またヒトラーは状況図を震える手で置き換えながら、会議中何度もシュタウフェンベルクを見つめたとか。


私はシュタウフェンベルク大佐の資料を色々と探している間に、ヒトラーとの対面の様子を撮影した写真を見つけました。その時のシュタウフェンベルク大佐の面持ちが非常に印象的で忘れられません。うっすらと笑みを浮かべたような表情の中に鋭い緊張感が走り、今だから言えることかもしれませんが、何か重大なことを起こそうとする人間の凄みを感じました。

実は初めはシュタウフェンベルク大佐をカラーで描こうと思っており、目や髪の色が何色かを調べていたのですが、それがわかるようなカラー写真も資料も全くありませんでした。ようやく見つけたひとつの資料で、目の色がブルーそして黒髪と判明したのですが、これもカラー写真が存在しないだけに確認することが出来ませんでした。

ですが、急に考えが変わり始めました。なぜなら、現代では誰も生身のシュタウフェンベルク大佐の姿を観たことがないのに、カラーにこだわるということ自体に違和感を感じたからです。




実際の子供達の写真には、もうひとり一番上のお姉さんと、子供達を包み込むようにそばで見守る優しい笑顔の大佐が写っていました。


戦時中ということもあり、空には憂いを表現してみました。雲はティッシュの端を使って、絵の具が乾かないうちに色を吸い取って形作ります。そしてグレーを使って、雲らしくなるよう影を入れています。


最後にヒトラーを仕上げていきます。狼の巣と呼ばれた会議室での一コマで、暗殺計画が実行された場所です。会議室には暗く閉ざされた雰囲気をイメージしました。そして、ヒトラーの異常なまでの冷血感と強い野望、誰にも理解しがたい心中に潜む激しさを表しています。

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